発達支援は、子どもが将来、日常生活や社会生活を円滑に営めるようにするために

行なうものであり、具体的な本人支援は障害のある子どもの発達の側面から、『健康・生活』、『認知・行動』、『言語・コミュニケーション』、『人間関係・社会性』の５領域になります。

令和６年度報酬改定において、「児童発達支援」「放課後等デイサービス」での支援で、「５領域」全て含めた総合的な支援を提供することが運営基準に明記されました。支援内容について、事業所の個別支援計画等において５領域とのつながりを明確化した上で提供することを求める内容となっています。

「健康状態の維持・改善、生活のリズムや生活習慣の形成、基本的な生活スキルの獲得」

健康な生活習慣の促進や、健康な心と生活のスキルの獲得を目指し、一人一人が健やかな身体と心を持ち、日常生活を自立して送ることが出来るように支援します。

「姿勢と運動・動作の向上と活用、感覚統合の支援」

日常生活に必要な動作の基本となる姿勢保持や運動・動作の改善及び習得、力の維持・強化を図り、保有する視覚、聴覚、触覚等の感覚を十分に活用できるよう、集団活動や遊びを通して支援します。

「認知機能の向上や適切な行動の獲得の支援」

発達レベルに応じた教科学習の支援、認知の特性を踏まえ、状況に応じた適切な行動への対応力を養います。

「言語能力の向上やコミュニケーションスキルへの支援」

適切なコミュニケーション能力の獲得や自己表現力の向上を図り、社会生活における関係性やコミュニケーション能力を高めます。

「他者との関わりの中での社会性の発達と集団活動の参加の支援」

集団活動でのルールに合わせた行動や他者との様々な関わりを通して、他者との関係や社会性の向上を図り、社会生活における適応能力を養います。

・検温や様子の観察などの健康状態の把握

・排泄や食事、着脱などの自立支援

・手洗い・うがい・歯磨きなどの日常生活動作に関わる支援

・整理整頓（片づけ）や持ち物の管理

・イラストや文字を使い、スケジュールの確認や見通しをもち、自分で切り替えて行動出来る力への支援

・身だしなみや整え方

・クッキングなどを通しての食育

・バス・電車の乗り方を学びながらの外出支援

・お買い物

・掃除活動

・生活リズム（睡眠やゲームの時間など）の大切さを学ぶ支援　　　など

・音楽に合わせたジャンプ・ステップ等の運動療育を通して、バランス感覚など体の使い方や強弱・方向の感覚を身につけ、体幹や筋力の維持・強化

・運動遊びやサーキットや公園などで思いっ切り身体を動かす粗大運動

・補助具を効果的に活用する支援

・えんぴつ・お箸などの道具を用いた支援

・はさみやのり、シール、ブロック、折り紙などを使って、簡単な工作活動を通した微細運動

・素材に触れたり、匂いを嗅ぐ等の色んな感覚を楽しむ

・力加減を身につける支援

・ビジョントレーニング　　　など

・音楽やリズムを使って五感を刺激する活動

・自分で選んで決める、自己決定する力を育む

・文字、数字、大小、長短、色など、具体物を使っての分かりやすい支援

・一人一人に応じた、話す・読む・書く・聞く・計算する・推論するなどの基本的な学習支援

・ブロックや立体の造形物を使った創作活動

・１日の時間帯別の活動を示すタイムスケジュールの確認による時間の意識や経過を感じ、行動の切り替えを行う

・活動や遊びを楽しみ興味の幅を広げる

・SSTや自立活動などでパーソナルスペース、交通ルール、正しい道具の使い方など、様々な環境や状況に合わせた適切な行動を身につける

・達成感を感じられるような活動を取り入れ、出来たことをしっかり褒め、人前で褒めたり、友達に認めてもらう場面を作り、自己肯定感を高める　　　など

・言葉で伝えることが難しい思いを受け止め言語化し、自分の感情と言葉が一致していくよう促す

・自己紹介、他己紹介

・言葉集めや連想ゲームなどの言葉あそび、指示を聞いて理解し、その指示で動くゲームなど

・集団活動での発表や終わりの会で感想を発表するなどの言語表出を促す活動

・言葉・文字・絵カード・写真・ジェスチャー・手話など、適切なコミュニケーション手段の選択・活用

・個別または集団活動での特性に応じた読み書き

・言葉だけでなく、実物や動画、写真やイラストなどを提示したり、実際に手本を見せる等、目で見て理解しやすい視覚的な支援

・絵本の読み聞かせ

・場面に応じた、正しい言葉の理解と活用方法を繰り返し伝える

・SSTなどで相手の気持ちを考えた伝え方、自分の気持ちの伝え方などを学び、言葉遣いや口調によって相手の気持ちを考える

・遊びや協力ゲームを通し、コミュニケーションの大切さや楽しさを味わう　など

・見立て遊び、つもり遊び、ごっこ遊びの組み合わせ

・人と関わるきっかけ作りを行い、身近な人との信頼関係を築き、人と関わる楽しさを味わう

・興味を持ち楽しんで集団活動に参加できるよう工夫し、安心して参加できるように配慮する

・ルールのある遊びの中で、ルールを理解する力、ルールを守る力、友達と協調する力を養い、一緒に活動する楽しさを味わう

・勝ち負けのあるあそびを通し、勝った喜びを感じ、負けた悔しさを受け止める力、自分の気持ちや感情をコントロールする力を養う

・相手の気持ちや状況の理解が出来るように、気持ちを代弁して相互理解が図れるように支援する

・異年齢で一緒に遊んだり活動することで、役割分担をしたり、リーダーシップを発揮する力を養い、相手を思いやり、物の共有や折り合いをつける力を養う

・遊びや集団活動で様々な経験を通し、自分の良さ、人の良さに気づき、お互いが認め合い、自信が持てることを増やす　　　　　　など

　上記の支援内容は一例であり、５領域における具体的な支援内容はお子さま一人一人の成長や発達において様々ですので、その子その子に合ったより良い支援をその都度考え、話し合って支援を行っております。

　５領域それぞれの項目を一歩ずつ成功体験をもとに伸ばしていけるよう、子どもたちが自ら楽しんで学び、”できた！”の喜びを感じられるように支援していきます。